九品寺(くほんじ)


弘法大師開基の1200年の歴史をもつ古寺
九品寺は、弘仁元年(810年)弘法大師の開基と伝えられ、承暦3年(1079年)に白河天皇によって開山されました。観音様を祀っているため「船阪観音」とも呼ばれます。当時、船井荘(旧園部村・旧摩気村)は、法勝寺領といって白河天皇の土地で、領地内にあった九品寺や摩気神社は手あつく保護されたそうです。伝承によると、『承暦3年(1079年)に皇后藤原賢子(けんし)が難産で義範(ぎはん)という僧に祈祷させたところ、西の方向に金色の霊光があり、山上に三面千手観音菩薩(さんめんせんじゅかんのんぼさつ)の尊像が出現するのをみて、天皇は霊地に伽藍(がらん)を建てて本尊とされた。皇后賢子は無事に皇子を出産、白河天皇は、阿弥陀堂・鐘楼堂・五重塔・経蔵・護摩堂・仁王門を建立された』ということです。
その後、南北朝から戦国の戦乱によつて焼け、本堂と仁王門だけを残して衰微していたのを、元和九年(一六二三)園部藩主小出吉次公が再建しました。しかし、ほとんどの末寺が地域の神宮寺であつたために神仏分離以後は衰退し、第二次世界大戦後には大門(仁王門)を残して荒廃、無数の寺宝が流出したそうです。その一部は現在、アメリカのニューヨークにあるメトロポリタン美術館に収蔵されているそうです。

お寺の玄関口である朱塗りの美しい仁王門は国の重要文化財に指定されています。(下の写真右)中におられる仁王像(下の写真中央)はとても迫力があり、見ごたえ十分でした。門をくぐったところの写真が一番右の写真です。このお寺は、思ったよりも広く、本道は山の中腹にあります。本堂までの道は、写真左手に見える砂利の坂道コースと、中央に見える階段コースと2つありました。(本道手前は階段のみになります)

 

 

 

 

階段を少し上がったところの右手に門と石に刻まれた境内の案内図が現れます。(下の写真左・中央)この門をくぐったところには宿坊があり、住職さんが暮らす家があります。一方、左手には謝恩堂という派手で小さなお堂がありました。(下の写真右)

 

 

 

 

さらに階段と坂道は続きます。すると左手に石の観音像と「船坂観音霊場」の柱が現れてきました。(下の写真左・中央)九品寺は船井三十三観音霊場の第一番札所だそうです。また丹波国三十三観音霊場の第二十番札所でもあります。この観音像の裏にも道が山に続いていましたが、その上は墓地でした。(写真右)

 

 

 

 

本通に戻りまして、さらに階段を登ると、今度は右手に道がついていました。その道は両側に石の小さな観音像がずらりとならぶ、不思議な感じのところでした。(下の写真左)説明の書いた石板(下の写真右)が置かれていたので、見てみると、こう書いてありました。『南無大師遍照金剛 当山は白河天皇開山で摩訶不思議な秘意が漂う霊場である。去る昭和六十三年春、玉休安穏を祈るとき、昭和天皇御不予日が九月十九日と現れ悲痛を押し弘法大師にお縋りして回復祈願を七月九月十一月度と四国巡礼を決願した。九品寺聖域に八十八ヵ所霊場を草設し御皇室と国民の幸せ、並に世界平和祈願の道場とするに至った。 旧門跡 九品寺』よく見ると、ここにずらりと並ぶ観音像にはそれぞれ八十八ヵ所霊場の名が刻まれています。ここだけで八十八ヵ所霊場を廻れるようにしたものではないでしょうか。

 

 

 

 

さらに階段を登っていくと、正面に高石垣が現れた。(下の写真左)ここには、宮内庁が管理している宝篋印塔(ほうぎょいんとう)がある。(下の写真右)宮内庁の掲示板(下の写真中央)によると、九品寺再興の祖白河天皇第二世門跡覚行法親王の御廟所ということです。左が1.4m、右が1.3mあるが、製作年代は不明だそうです。

 

 

 

 

その御廟所手前の右手に非常に急な階段がそびえています。(下の写真左)これを登れば、九品寺の本堂(下の写真中央)があります。ひじょうに大きなどっしりとした構えの本堂ですが、ここまで登るのは結構大変です(苦笑)本堂の左手には「雷除ヶ石」があります。雷除けの祈願が行われ、霊験あらたかな雷神だそうです。戦後、九品寺が荒廃していたとき、船阪と大西に同時に落雷があり、そのとき九品寺をお祭りしなくなったから天罰がくだったのだと言われたほどでした。本道の右手の道を少し行くと、隣にある「船阪八幡宮」という神社に繋がっています。(下の写真右)

 


 

 

船阪八幡宮への参道は、園部の市街地側から行くと、九品寺の仁王門のある20mほど手前の小さな小道に細い石の案内が建っています。(下の写真左)その道をまっすぐいくと、見事な竹やぶの中を急な坂道が続いていて、そこを登りきれば八幡宮の本堂にたどり着きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【九品寺DATA】
住所:園部町船阪大門47-1
電話:0771-62-3704
アクセス:園部市街地から府道54号線篠山方面へ、船阪郵便局をこえたところの信号左折、船阪浄水場をこえると右手に朱塗りの
仁王門が見えてくる

参考文献:園部町教育委員会『園部の歴史〜郷土の資料〜』

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