大山崎山荘美術館(大山崎)

大山崎山荘美術館本館は、大正から昭和初期にかけて実業家の加賀正太郎が、自らの山荘として設計、建てたものです。山荘は大正時代に木造で建てられたのち、昭和初期に増築されました。

加賀正太郎は1888年に大阪船場の豊かな商家に生まれました。1911年6月に木津、宇治、桂の三川が合流する天王山麓に土地を購入し、欧州遊学時に英国のウインザー城から眺めたテムズ川 の風景をもとに、加賀自らが設計し、1917年までには木造の洋館を完成させました。山荘の工事中には、かの文豪、夏目漱石も山荘を訪れ、その時に加賀は山荘の命名を頼みます。 しかし、漱石の出したいくつもの候補はどれも採用せず、自ら大山崎山荘と名づけたそうです。

1922年、加賀は山荘の改造設計を始めました。建物の規模を大きくし、鉄筋コンクリート構造とすることにします。以前の建物は、玄関のある東側部分のみ残し、主要部分の上棟はイギリスのハーフティンバー工法を採用しました。庭園、山荘までのアプローチの道路もあわせて変え、山荘裏手に蘭栽培用の温室、山荘手前の「流水門」の手前に、2階建てのハーフティンバー工法でつくった車庫、トンネル風の門を設けました。工事は1928〜29年ごろに完了し、今日の山荘の姿となります。(ちなみに、車庫は現在は無料レストルームとして、トイレや自動販売機、無料ロッカーなどが整備されています。)


 

 

 

 


その後、山荘は1967年に加賀の手を離れ、所有者は転々としていたが、1990年頃、持ち主である不動産会社が山荘を取り壊しマンションを建設する計画が持ち上がりました。またたく間に地元住民から強い反対運動が起こり、その解決策を模索していた荒巻京都府知事が、旧知の樋口廣太郎(当時のアサヒビール社長)に相談を持ちかけ、最終的にアサヒビール社が、天王山麓の景観を保全するために山荘を買い上げることになりました。荒廃寸前だった山荘は、京都府、大山崎町の協力も得て、1996年に美術館として見事に蘇ることになります。安藤忠雄氏により、設計されたコンクリート打放しのユニークな現代建築である新館「地中の宝石箱」は、本館に隣接してあり、内部には、フランス絵画印象派の巨匠クロード・モネの「睡蓮」の連作が展示され、その作品の数では、本場フランスのオラン ジュリー美術館に次ぐものであると言われています。本館には民芸運動の旗手、河井寛次郎、バーナード・リーチ、濱田庄司らの陶芸作品が展示されています。


 

 

 

 

山荘の2階にはカフェがあり、テラス等でエレガントなひとときをすごすことができます。テラスからは山荘をとりまく大自然や街が見渡せます。「美術館」というよりは、ちょっとお洒落に時間を楽しめる、癒し空間であります。建物自体もすばらしいが、それをとりまく自然が見せる四季折々の景色もまた絶景です。

 

 

 

 


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【大山崎山荘美術館DATA】
住所:京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
電話:075-957-3123
開館時間:午前10時〜午後5時(入館4時半迄)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始
入館料:一般700円、高大学生500円、小中学生無料、障害者手帳お持ちの方300円
URL: http://www.asahibeer-oyamazaki.com/

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